Purpose: 中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)におけるリング状の灰白色網膜下線維性滲出物の病態変化を明らかにするため,フルオレセイン血管造影(FA)と光コヒーレンス・トモグラフィー(OCT)で患者を検討した。

Methods: OCTを用いて,急性CSCの連続した患者13名(男性12名,女性1名)(13眼)を前向きに検討した。 眼底はリング状の灰白色病変を通してOCTでスキャンした。

結果を報告する。 FAではリング状で灰白色の網膜下滲出液の中心部に局所的な色素漏出が認められた。 OCTでは滲出液の領域に,全眼で神経感覚網膜と網膜色素上皮を橋渡しする中程度あるいは高反射の腫瘤が認められた。 リング状の滲出液の透明なコアの領域は、神経感覚網膜の下に光学的に透明な空間を示したので、13眼すべてにおいて網膜下反射塊は断面画像上で分離された。 灰白色病変の領域では13眼中7眼でOCTとFAにより色素上皮剥離が観察された。

結論 CSCでリング状の灰白色滲出液を認めた眼では,OCTとFAの所見から,滲出液のpellucid coreが脈絡膜から網膜下腔への滲出液のルートであることが示唆された. 周囲の灰白色病変は、網膜下腔に溜まった線維性滲出液と思われる。