高多孔質γ-アルミナ2種を開発した。 を27Al核磁気共鳴(NMR)、透過型電子顕微鏡(TEM)、放射光粉末回折データの原子対分布関数(PDF)解析により検討した。 NMRデータから、両材料とも典型的なγ-アルミナである四面体と八面体のAlが0.30:0.70の割合で配位した分布が得られた。 TEM 観察の結果、両材料とも厚さ 5 nm 程度の棒状粒子が多孔質構造の構成要素であることがわかった。 これらの粒子は、市販の触媒ではしばしば50 nmの長さまで伸びているが、表面積の大きいゾル-ゲル系材料ではかなり短くなっている。 PDFの精細化により、両材料とも1 nm程度の局所構造の存在と正方晶平均構造の妥当性が明らかになった。 この正方晶平均構造には、非スピネル八面体Al原子の割合がかなり含まれている。 局所構造の存在は、前駆体や合成条件に依存しないγ-アルミナの一般的な特徴であることが議論された。 非スピネル」Al原子の濃度は、表面特性と相関があるようで、細孔サイズ/表面積が大きくなるにつれて増加する。 このことは、多孔質γ-アルミナの触媒特性にとって重要な意味を持つと考えられる。
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