最近の研究では、プロテオバイオティクスの作用機序や、善玉菌比率の維持、菌バランスの低下、腸機能の改善における潜在的な利点が探求されていますが、研究に基づく記述はいずれも、米国食品医薬品局による評価を受けたものではありません。

有機酸やバクテリオシンなど、プロバイオティクス細菌が生産する他の分子とは異なり、プロテオバイオティクスは、主にLuxSクオラムセンシングシステムを妨害することにより、細菌細胞間で起こる細胞間コミュニケーションであるクオラムセンシングを妨害する天然代謝産物です。 これらのクオラムセンシングシステムは、細菌が環境の変化に対応することを可能にし、病原体が宿主の防御機構を回避する能力に一役買っている。 プロテオバイオティクスは、クオラムセンシングを阻害することで、宿主細胞への接着や侵入につながる一連の出来事を抑制する。 これは、感染プロセスを促進する特定の病原性遺伝子(通常、病原性アイランドに存在する)の発現を低下させることによって達成される。 具体的には、プロテオバイオティクスは、毒素産生、バイオフィルム形成、細胞接着、浸潤に関与する病原性遺伝子を阻害する。 腸管出血性大腸菌やサルモネラ菌では、3型分泌系に関連する遺伝子が主な標的となるようだ。

プロテオバイオティクスがどの程度病原性遺伝子発現を抑制できるかは、病原体とプロテオバイオティクス供給源に依存する。 乳酸菌由来のプロテオバイオティクスは、腸管出血性大腸菌、Clostridium difficile、Salmonella Typhimurium、Listeria monocytogenes、Campylobacter jejuniの病原性遺伝子をダウンレギュレートしている。 一方、ビフィズス菌が生産するものは、Campylobacter jejuni、腸管出血性大腸菌、Clostridium difficile、Clostridium perfringens、Salmonella Typhimuriumの病原性遺伝子発現に影響を与えることが示されている。